夏休みに入っても、最所弌は補習授業を受けなければならなかった。 彼と同じ授業を受けるのは、少し変わっている転校生の水島朝だった。 同じ水泳部員であるにもかかわらず、今まで親しくなかった彼女に、弌は色々と話しかけるが、朝の反応は冷ややかだった。
一方、部室で一人で補習明けの弌と朝を待っていた水泳部員の海野十三は、園芸部の空山菜摘芽が畑の手入れをしているのを見かけ、一目惚れしてしまう。
補習と水泳部の練習（といってもただ遊んでいるだけ）の日々が続く中、菜摘芽は畑で獲れた野菜を持って水泳部を訪れ、一緒に食べないかと誘う。
その日から、弌、十三、朝、菜摘芽の四人の男女の熱い夏の物語が始まるのだった。
最所 弌（サイショ ハジメ）
東校二年で水泳部員。 クラスのムードメーカー的な存在で、いつもひょうきんな役回りを買って出る。 女の子にも軽いノリで話しかけるので、遊び人と思われている。 学業成績は良くなく、夏休みにも関わらず補習を受けることに。 同じ水泳部の水島朝に興味を持っている。 十三とは長い付き合い。
海野 十三（ウンノ ジュウゾウ）
東校二年で水泳部員。 作務衣に雪駄を愛用している個性的な人物。 どんな相手にも「先生」付けで話したり、周囲を爆笑させるギャグを言ったり、マニアックな薀蓄を披露したりする。 弌とは息の合った親友同士で、朝から「ホモじゃないの」とからかわれるほど。 プールの近くで畑の手入れをしている空山菜摘芽に一目惚れをする。
水島 朝（ミズシマ アサ）
東校二年で水泳部員。 この街の出身だが、以前は隣市の学校に通っていた転校生。 大ざっぱで男っぽい性格だが、実は人見知りで、初対面の相手には無愛想でぶっきらぼう。 そのため、周囲になかなか馴染めずにいる。 成績はあまり良くなく、弌と同じ古文の補習を受けている。 同じ水泳部の弌を「ちゃらちゃらした軽いヤツ」と思っており、十三を「変な人」と多少興味を持っている。 菜摘芽に対しては、何かわだかまりがある様子。
空山 菜摘芽（ソラヤマ ナツメ）
東校二年で花卉園芸部所属。 一年の三学期に転校してきたばかりで、関西出身。 周りからは優しく控えめで清楚なイメージで見られているが、少し不思議な蔭がある。 夏休み中、プールに隣接する広い実習用畑を一人で管理しており、そこで獲れた野菜を水泳部のメンバーに振舞う。 弌に対して特別な想いを抱いているようだが……。
そらのいろ、みずのいろの作品情報
ブランド名 : Ciel
年齢指定 : R18
そらのいろ、みずのいろの紹介画像
そらのいろ、みずのいろのレビュー・感想
夏休み中の高校生4人組、2人の男子と2人の女子の甘酸っぱいラブストーリー。 エッチなシーンがふんだんに盛り込まれ、特に女の子のハマっていく様子がエロく描かれている。 4Pプレイや乱れっぷりも見どころ。
隠語も多種多様で素晴らしい。 一方で、シナリオが長いため、エッチなシーンだけを楽しみたい人には退屈に感じるかもしれない。 寝取られシーンはないが、男子が2人いるので独占志向の人には注意が必要。
総評としては、清純派のヒロインが魅力的で、絵も美しい。 しかし、最終クリアを目指すには根気が必要で、両方の主人公のストーリーをクリアしなければ最後までたどり着けない。 ボリューム満点で、各ストーリーの長さも夏休み全体にわたるため、プレイ時間はかなり長い。
それでも、この作品の魅力はそんな難点をはるかに上回る。 Tony氏の原画による美しい絵は、購入の決め手になるだろう。 ストーリーも飛ばさずにじっくり読めば、主人公たちの成長と恋愛が入り混じった、たった一夏の冒険を追体験できる。 ボリュームがあり、読み応えがある。 CGは美しく、文句なしだが、使い回しが多いのが残念。 前半の恋愛パートは、苦手な人でも楽しめるだろう。 後半はエッチなシーンが満載で、パートナーが入れ替わる選択肢もあるが、寝取るような内容ではなく、スワッピングに近い。
後半の展開に向けて、メインキャラクター4人の心情がしっかりと描かれており、感情移入しやすくなっている。 夏休み最後の日に泣ける展開が待っている。 男子2人のカッコ良さも見どころで、ヒロインが惹かれた理由がわかる。 エロゲーというより、高校生の恋愛モノとして優れた作品。 アニメ版も素晴らしく、エロさに加え、アニメ版にはないエロシーンも楽しめる。 Tony氏のヒロインは美しく、凛とした少女の描写はトップクラス。 朝と菜摘芽が可愛い。 主人公の弌と十三もノリが軽いが良い奴で、好感が持てる。
エロ目的でプレイすると、序盤で挫折するかもしれないほど長い。 意味のないだべりやぶっとんだギャグ、時事ネタ的なものも登場し、笑いどころもある。 友達以上恋人未満の4人の関係がいつ恋愛に発展するのか、ドキドキしながら楽しめる。 甘酸っぱさ、切なさ、そして濃厚なエロスが、暑さを吹き飛ばしてくれるだろう。
